ステンレスの発色(電解発色・化学発色)とは

ステンレス酸化発色処理

 概略

 ステンレスの表面は元来クロムを主成分とする透明な不動態皮膜(酸化皮膜)に覆われています。 
この透明皮膜の厚さを1/100ミクロン単位で成長させてゆくと光の干渉によってステンレス表面は様々な色をかもし出し始めます。 
この発色皮膜は非常に薄いことにより、塗装やめっきと異なり素材の表面状態を損なうことなく、また寸法精度も変えることなく色鮮やかなものに仕上げることができます。 
また酸化皮膜の成長によりステンレス本来の耐食性をさらに向上させる役目も持ち合わせています。 
 

 原理

ステンレスは表面にごく薄い酸化皮膜(不動態皮膜と呼ばれ厚みは50Å【1000分の5μm】前後)があるため錆びにくいことはよく知られています。この酸化皮膜が0.1μm前後以上に成長すると色が着いて見えます。たとえばステンレスの溶接目付近に見える茶色・青や黄・赤の変色がそれです。溶接目の変色は強烈な熱と空気中の酸素によって酸化皮膜が成長した結果ですが、この酸化皮膜の成長を電気的または化学的に起させ,その皮膜の厚さによって様々な色に表現させるのが【ステンレス酸化発色】です。

ではなぜ酸化皮膜が成長するだけで様々な色が出るのでしょうか。以下にその原理を説明します。

 

下図のように左上方より入射してきた光(L0)は酸化皮膜表面で反射する光(L1)とステンレス表面で反射する光(L2)に分かれます。この反射した2種類の光L1とL2が波の性質で干渉し合い、酸化皮膜の厚みに応じた色の光が強調されます。
この強調された光が目に入り、あたかもその光が着いているように見えます。
これは雨のあとにできた水溜りに油膜が広がり虹色に見える現象と同じです。

【発色原理 イメージ図】

電解発色と化学発色

この発色と呼ばれる表面処理は薬品の酸化力で酸化皮膜を成長させる【化学発色】という方法が一般的ですが、化学発色は膜厚の制御が難しく母材ロット間の影響を受けやすい為、色ばらつきが発生しやすいというデメリットがあります。
特に化学発色での黒色は十分に皮膜を厚くすることができない為、濃い深みのある黒を
生み出すことはできません。

そこでより濃い黒色、色の安定性を生み出すために弊社が開発した独自技術が電解発色【アベルブラック】です。
電解発色は薬品の酸化力に電気的な制御を加えることで、化学発色よりもより厚く皮膜を作ることができ、色濃く、均一性に優れた黒色を生み出すことができます。

<断面比較図> 

 

アベルブラック(発色)の美しい金属感 

塗装やめっきをした場合、下地金属の美しさを損なう恐れがあるのに対して発色はステンレスの金属感をそのままに、表面に色彩をつけることによって色鮮やかな、また温かみのあるステンレス素材にするという特徴をもっています。

<表面イメージ図> 

※下地研磨を生かした様々な黒のバリエーションはこちら↓

 ■アベルブラック意匠性 紹介ページ

 ■アベルブラック材(厚板)の販売 紹介ページ

 ■アベルブラック材(薄板)の販売 紹介ページ

※意匠的用途事例はこちら↓

 ■家電業界(ステンレス加飾処理)紹介ページ 

 ■建築業界(内装・外装)紹介ページ

アベルブラック(発色)の優れた機能性 

アベルブラックは下地を生かす見た目の美しさだけではなく、様々な機能性も付与することができます。

無垢のステンレスよりも成長し厚くなった黒色酸化皮膜(不動態皮膜)は非常に優れた耐食性・耐候性を付与し、
その均一な黒色は反射防止や輻射率向上にも優れます。

※機能性の詳しいデーターはこちら↓

 ■アベルブラック機能性データー 紹介ページ

※機能的用途事例はこちら↓

 ■光学機器業界(反射防止)紹介ページ

 ■真空業界(輻射率向上)紹介ページ