ステンレス

ステンレスの特性

 

 ステンレス鋼(Stain-less Steel)は、その名のとおり、さび〈Stain〉の少ない〈less〉鋼〈Steel〉、つまり、「さびにくい鋼」としてよく知られています。それでは、なぜステンレスはさびにくいのでしょうか。これは、ステンレスの表面を覆っている酸化皮膜のおかげなのです。この皮膜は一般的に不動態皮膜と呼ばれており、ステンレスの成分であるCrが大気中の酸素に酸化されることにより生成されます。そのため、もしなにかの拍子に皮膜に傷がついてしまっても、大気中であれば再生可能なのです。こういった特徴をもつ皮膜に覆われているために、「優れた耐食性を維持することができる」つまり、「さびにくい」のです。

 ステンレス鋼は、約11%以上のクロムを含む鉄ベースの耐食性に優れる鋼の総称で、さらに耐食性や機械的性質を向上するために、ニッケルやモリブデンなどの合金元素が添加されています。
 そして表面には不動態皮膜と言われる保護性の強い皮膜が形成されています。この不動態皮膜は、非常に薄い鉄とクロムを含む酸化物(水酸化物)であり、その膜厚は極めて薄く、1μの100分の1以下です。従って、機械的には、容易に破壊され、裸の金属が露出しますが、酸素や水蒸気、水などに触れると直ちに修復されて、耐食性を保持します。

 

 

 オーステナイト系
18%Cr-8%Ni
(SUS304)

 フェライト系
18%Cr
(SUS430)

 マルテンサイト系
12%Cr
(SUS410)

     

 

 304系 316系  430系 
・高強度ステンレス鋼
・プレス成形性
・耐粒界腐食性
・耐応力腐食割れ性
・耐酸化性
・耐孔食性
・耐酸性
・耐熱、耐酸化性
・成形、溶接性
・耐食性

 磁性・・・磁石につくものとつかないものがあります。18-8(SUS304)は磁石につきませんが、18Cr(SUS430)は磁石につきます。ただし、SUS304でも加工すると磁石につくようになります。これは、先ほど示した結晶構造の差に起因します。オーステナイト系は、磁石につかないがフェライト系およびマルテンサイト系は磁石につきます。SUS304を加工するとオーステナイト組織から一部マルテンサイト組織に変わり磁石につくようになります。

 ステンレスは1912年~1914年にかけてドイツ、イギリス、アメリカでほぼ同時期に発明されて以来、様々な品質をもつステンレスの開発が進められてきました。今後更なる技術開発とともにステンレスも用途拡大されることが考えられます。