電解研磨・化学研磨とバフ研磨

電解研磨・化学研磨・バフ研磨それぞれの特徴

電解研磨

 金属に応じた『電解研磨溶液』の中で、その金属をプラスとして直流電流を流しますと、金属の溶解とともにその金属表面が『平滑化』し『光沢化』する現象が起こります。その現象を利用したのが『電解研磨』で、特にオ-ステナイト系ステンレス(SUS304やSUS316など)やアルミニウムなどでよく行われています。
機械的な研磨(グラインダ-やサンドペ-パ-、バフなど)が砥石と圧力により凹凸を切削・変形・摩耗により除去するのに対し、電解研磨は凸部の優先的な溶解により『平滑化』・『光沢化』するもので、表面は『加工変質層』を作ることなく『焼け』や残留物による『汚れ』などを残さない非常に『クリ-ンな研磨方法』です。

化学研磨

 化学研磨は特殊な溶液に浸し化学反応によって、表面を溶解する研磨方法です。化学研磨は電解研磨と同様にステンレス成形品に対して研磨を行いますが、複雑な形状をしたステンレス表面の異物除去やスケール除去、洗浄には化学研磨が適しています。

バフ研磨

 バフ研磨は 一般的に布を円形に切り抜いて一定の厚みに縫いあわせたものや、バイアス状に縫いあわせた布の外周面に研磨剤を塗ったもので製品を磨く工程です。その加工方法は研削(グラインダー類)とは異なり、加工物の表層のみを磨く(加工)することに特長があります。

工程としては最初に粗く削る粗研磨から最終仕上げで光沢を出す仕上げ研磨まで数回の仕上げを行うのが主流です。

  得意とするもの 問題点 
 

電解

研磨

 表面の微細な凹凸の凸部分を優先的に溶解するため平滑化・光沢化し、バフ研磨などの物理的研磨時に発生した汚れや異物及び加工変質層を除去する。研磨面をクリーンな状態にし、より強固な不動態皮膜を生成させるため耐食性が大幅に向上する。  バフ研磨などの機械研磨と比較して大きな凹凸や表面粗度が大きいもの、また大きなバリを除去するものには不向きである。また、電気の流れが不均一であると白くくもったり、ムラを引き起こしたりする。また平滑化及び光沢化を求めるには、あらかじめバフ研磨等である程度平滑にしてから電解研磨をするのが望ましい。 

化学研磨

  電解研磨同様に表面を溶解することによりクリーンな状態にし、微細な凹凸を除去するため平滑化・光沢化する。また電気を流さず処理液の溶解力で研磨するので、ムラを引き起こしにくく複雑な形状に対応が可能である。  処理液の溶解力によって平滑化・光沢化を引き起こすので処理が進む(鉄・ニッケル・クロム分が溶解)につれ処理液の変化に伴い溶解パターンに狂いが生じるため、常に液管理(液の入れ替えや廃液処理など)などがシビアになる。

研磨

 表面状態が粗かったり不均一であるものを光沢面までにすることが可能。またプレス加工などの切断で生じた大きなバリを除去することが可能。  砥粒や、バフカス、油分、コンパウンドなどが残留するため、表面にめり込んだ砥粒、金属片等を取り除くのは困難であり、それらが腐食の原因となる。また微細な凹凸や研磨スジは除去されず汚染物質を付着させる要因になるため、クリーン度を要求する場所にはこのままの加工状態では不向き。

 

平滑でクリーン度を求める工程としては

■バフ研磨などで大きな凹凸及びうねりを除去

■電解研磨や化学研磨で

  ○微細な凹凸を除去

  ○前加工で低減したステンレスの性質を回復

  ○不純物の除去(クリーン化)

  ○耐食性の向上

が最も望ましいとされています。

 

機能性を紹介します。

電解研磨(機能性)

電解研磨(精密・意匠性)

化学研磨(機能性)

 

用途別事例を紹介します。

家電業界(電解研磨・化学研磨)

半導体・真空業界(電解研磨・化学研磨)

エネルギー業界(電解研磨)

医薬品・食品業界(電解研磨)